昨今、1000万台を超えたRaspberry Pi を業務用途で利用することを検討する方が非常に増えています。これまでRaspberry Piは教育やホビー分野で利用されることが多かったが、その普及の過程で、利用経験のあるユーザが増加し、利用情報や周辺環境が整備され、Raspberry Piが持つ業務用として利用できる十分なパフォーマンスや製品組込みも可能なコンパクトなサイズもあり、Raspberry Piを自社製品へ組込みを目的としての利用が急速に広がっています。

 

1. 量産開発でのRaspberry Piの選択肢

 

現在、TechShareで提供できる量産開発用のRaspberry Piプラットフォームとしては、標準のRaspberry Pi、Compute Moduleに加え、カスタムRaspberry Piの3つのベースボードがあり、量産開発の目的に合わせて、ご利用いただくことができます。

 

 

 

 

 

2. Raspberry Piベースボードの選択

 

Raspberry Piでの量産のメリットは、既にコンセプトプロトや利用経験のあるアプリケーションの資産や経験値を転用して、簡単に開発ができること。また、大量に流通するRaspberry Piのコストパフォーマンスを享受し、小規模量産でも開発コストを大幅に抑えることができることが、Raspberry Piを量産利用する主な理由となります。各プラットフォームのボードを利用する選択する理由は、下記の通りとなります。

 

1)Raspberry Pi 標準ボード

Raspberry Pi 標準ボードを選択する理由としては、標準のI/Oをそのまま使って実現できる用途で、少量でも標準ボードのコストパフォーマンスをそのままに、小規模量産を低コストで実現できるので、比較的小規模量産に向いたソリューションとなります。

 

 

 

2) カスタム Raspberry Pi


  

カスタム Raspberry Piは、主にMOQで1,000個超える小規模量産で利用できる量産ソリューションです。

カスタム Raspberry Piは Raspberry Piの標準ボードでIOポートの機能と数は要件を満たしている。しかしながら、余分なポートが多い、I/Oポートの形状や向きに問題があり最終製品の筐体へ納める際に物理的な問題が生じるなどの問題に対処できます。

Raspberry Piのローコストのメリットを享受するため、大規模なカスタマイズは避け、I/Oを取ったり、交換したりする程度の簡易カスタムがおすすめです。

 

 

3) Compute Module

 

Compute Moduleモジュール自体は、1個からでも入手できますが、Compute Moduleを載せるベースとなるIOボードを作る必要があるので、比較的大規模な量産でおすすめのソリューションとなります。

標準ボードではIOポートが不足している場合や大きなカスタムが必要な場合、他の機能を搭載したIOボードを製作したい場合など、Compute Moduleの利用が最適な選択肢となります。 

 

 

3. 量産に必要な情報とサービスを提供

 

プロダクションメンバーサービスは、Raspberry PiやBeagleBoneなどで量産開発を進めることを検討しているお客様向けのTechShareのテクニカルサポートサービスです。

通常、ネット通販のみで流通するオープンソースハードウエアは、Raspberry Pi財団やBeagleBone.orgなどのWebサイトで情報が公開されているのみで、追加の情報提供や技術サポートは全く受けることができませんが、故障や不良に関しても、初期不良のみの交換対応で、故障や不良の原因解析など対応は当然ありません。

TechShareでは、これらの量産開発で利用されるお客様が必要なサービスを提供しています

 

 

 

1)品質や試験に関する情報の確認

 

オープンソースハードウエアを業務や量産開発で利用する際の最大のハードルの一つが品質確認や信頼性が期待するレベルにあるかどうかの判断です。実際の生産プロセスや品質試験などの情報を確認し、現地視察などを含め信頼できる正しい情報をベースに、Raspberry Piの業務や量産開発での利用範囲を判断いただくことができます。

 

■グローバルスタンダードの高い品質管理ができる生産工場

弊社で供給するRaspberry Piは、医療デバイスや自動車用のデバイスも製造できるグローバルスタンダードの認証を得ている高いレベルのオペレーションができる工場で生産されています。弊社では生産現場の視察などを含めプロダクションメンバーサービスでお手伝いをさせていただいております。

 

■オープンソースハードウエアの品質試験

オープンソースハードウエアの品質試験は、一般の産業用ボードと比較すると、一部簡易的な品質試験方法を採用し、コストダウンしている言われています。必要に応じて、実際の生産プロセスや品質試験情報を確認し、起こりうるリスクを判断することがプロダクションメンバーサービスを利用すれば可能となります。

 

 

2)確かなルートでの仕様情報の確認

 

実際にRaspberry Piの量産開発の仕様検討を始めると大きな問題の1つが、確かな情報の入手先の確保です。Raspberry PiやBeagleBoneなどのオープンソースハードウエアでは情報源が確認できない不確かなWeb情報は大量にありますが、信頼できるルートで確認できないことが多くあります。

Raspberry Pi財団の公式ページ等で情報を入手頂くことが前提となりますが、そこで確認できない情報等の確認作業を弊社のプロダクションメンバーサービスでお手伝いさせていただいております。

 

3)量産利用のためのカスタム納品

 

量産利用時に不要となるリテール包装や付属品などを取り除いた量産用にカスタム梱包しての製品供給も可能です。生産現場が作業しやすい納品形態でご提供することで不要な生産性の低下を防ぎます。

 

4)流通のための必要な書類の入手や発行

 

TechShareのプロダクションメンバーサービスでは、パラメーターシートなどの製品の輸出時に必要となる届出書類などの作成を支援しています。

 

 

(注1)TechShareは、Premiar FarnellグループのEmbest Technology社の正規代理店として、Raspberry Pi及びBeagleBone Blackのカスタム製造サービスを提供しています。

(注2)Raspberry PiやBeagleBoneなどのオープンソースハードウエアを業務利用または量産開発で利用する場合、人体に危害を加える可能性のある業務及び機器の開発、停止すると重大な損害を引き起こす可能性のある業務及び機器の開発には、利用できませんのであらかじめ、ご了承ください。

 

 

 

 【お問い合わせ】

TechShare株式会社

Physical Computing事業部

TEL 03-5683-7293

Email:store@techshare.co.jp